社会人になって20年以上経ちますが、本当に色々な人がいるなと日々感じます。そして、どうせ働くなら、気の合う人、考え方が近い人と働きたいものです。その方が仕事は楽しいですし、良い結果にもつながります。
実は、転職する・しないに関わらず、「仕事ができる人」「誰からも信頼される人」には、ある一つの共通点があることに気がつきました。
それは、
「Giver(ギバー)の精神」
つまり、見返りを求めずに“先”に貢献できるかどうか、そのような気持ちをもっているかどうかです。
今回は、このGiverマインドが、仕事だけでなく人生、特に「転職」において、いかにあなたの成功確率を劇的にアップさせるかについて解説します。
あなたはどのタイプ?世の中を3つに分ける人間行動学
組織心理学者のアダム・グラントは、その著書『GIVE & TAKE』の中で、人間を3つのタイプに分類しています。
ギバー(Giver): | 見返りを求めずに、まず他者に与える人。 |
テイカー(Taker): | 自分の利益を最優先し、与えるより多くを受け取ろうとする人。 |
マッチャー(Matcher): | 損得のバランスを重視し、公平なギブアンドテイクを保とうとする人。(人口の約半数) |
あなたが「この人についていきたい」「この人の力になりたい」と思うのは、どのタイプでしょうか?
それはもう一択です!
組織の潤滑油となり、人々を惹きつけるのは、間違いなくGiverです。
転職活動こそ「Giverの独壇場」である3つの理由
でもそれって、転職活動に関係あるのかな?
すごーーくあるよ!Giverのほうが成功する確率が高いよ!
実は、転職活動のあらゆる場面で、Giverマインドは圧倒的な強みを発揮するのです。
1. 面接で「聞きたいこと」を自然に話せる
面接で、テイカーは無意識に「私に何をしてくれますか?(待遇・福利厚生など)」という視点で質問しがちです。
ごく自然に「私は御社に何ができますか?(貢献)」という視点で自分をアピールできます!
これは、面接官が最も知りたいことであり、他の候補者との決定的な差になります。
2. 人を通じて「質の高い情報」が集まる
Giverは普段から人間関係を大切にします。
Webサイトには載っていない有益な情報(企業のリアルな内部情報や、非公開求人の紹介など)が集まりやすくなります!
いざ転職を考えた際に、友人や元同僚が必ずあなたを助けてくれるでしょう。
助けてあげたい!って思われる人になれているってことですね!
3. 入社後の「信頼獲得スピード」が違う
Giverは新しい環境で貢献するために、周囲の助けを素直に受け入れ、感謝することができます。
だからこそ、馴染むのも早くなり、どんどんと組織において結果を出せるようになっていきます。
入社後のスムーズな人間関係と早期の信頼獲得につながります!
この「教えてもらう姿勢」と「何かで返そうとする行動」が、入社後の成功において非常に重要な要素となります。
今日から始める「Giver」になるための3つの習慣
「でも、いきなりGiverになるなんて難しい…」と感じるかもしれません。大丈夫です。誰でも今日から始められる、具体的な3つの習慣をご紹介します。
① まずは「5分でできる親切」から始める
「同僚が探している資料の場所を教えてあげる」「誰かのSNS投稿に、学びのあるコメントをする」など、自分に全く負担のない範囲で「小さなGIVE」を意識してみましょう。
② 自分の「GIVEできるもの」を棚卸しする
あなたが提供できるものは何でしょう?「特定の業務知識」「後輩への丁寧な指導」「場の雰囲気を和ませる力」など、自分の得意な「GIVE」を自覚することで、無理なく、そして喜んで与えることができます。
③ GIVEの記録をつける
手帳やメモに、今日誰かにした親切を書き出してみましょう。「自分はこんなに与えられているんだ」と自己肯定感が高まり、Giverであることが楽しくなります。
【私の物語】Matcherだった私が、Giverに変われた理由
ここで、少しだけ筆者の話をさせてください。
何を隠そう、私も以前はバリバリのMatcherだったんです・・・
「誰かがやってくれたら、申し訳ないから同程度お返しする」というスタンス。
心のどこかで「手伝ってもらわなくても、自分で何とかできる」と思っていたのかもしれません。
そして、仕事から逃げるTakerには、いつもイライラしていました。
特に私立学校時代、そういった人が幅を利かせている環境には本当に消耗しました。
そんな私が変われたきっかけは、ある種の「プライド」でした。
経験を積み、自分の仕事に自信がつくにつれて、「あんな風にはなりたくない。自分は生徒のために、最後まで全力で働ける人間でありたい」というプロとしてのプライドが芽生えたのです。
立場が上になっても「若い人に負けたくない」と、自分ができることにフォーカスして精一杯やる。
このマインドが、自然と私をGiverに変えてくれました。
そして、そのマインドは転職先でも自然と活かされました。未経験で入ったので、最初は業務で迷惑をかけるばかり。しかし、「業務以外の立ち振る舞いの部分では、少しでも貢献したい」という思いで行動しました。
その姿勢を同僚たちが認めてくれたことが、新しい組織で信頼を得るための大きな一歩になったのです。
注意点:搾取されない「賢いGiver」になるために

最後に、一つだけ大切なことがあります。
あなたの優しさに付け込んでくるTakerからは、自分の身を守る必要があります。
搾取されるだけのGiverにならないように!
報われる場所に身を置きましょう!
見返りを期待してGIVEをするわけではありませんが、あなたの善意が全く報われない、実らない環境で努力し続ける必要はありません。
そこは冷静に見極め、時には離れる勇気も必要です。
まとめ:まずは「今より少し親切に」から始めよう
Giverがいかに求められる存在か、ご理解いただけたでしょうか。
「Giverになろう!」と気負う必要はありません。
まずは「今より少しだけ人に親切にしてみよう」「すぐに見返りを求めるのをやめてみよう」と、考え方を少しだけシフトすることから始めてみてください。
そうすれば、あなたの周りに良い循環が生まれ始めます。
どんな環境でも協力し合える関係を築ける人が、重宝されないわけがありません。
特に、異業種へ転職する場合、最初は助けてもらうことばかりのはず。
それ以外の部分で貢献するGiverの姿勢こそが、あなたの成功を力強く後押ししてくれるでしょう!